会社が小さくてもM&A(結婚)

4年前のある日、お付き合いの長いM社長から、私の携帯に電話がかかってきました。「色々と考えたけど、会社をたたもうと思う。私も病気がちで後継者もいない。そろそろ潮時かなと思って」という内容でした。
M社長が営むのは牛乳配達事業で、お世辞にも大きい会社とは言えません。数年前に冷蔵設備に投じた負債はありますが、手元資金で賄えます。しかし、次のM社長の言葉にハッとしました。

「ただ、500件ほどのお客様に申し訳なくてね」。その言葉を聞いた私は「M社長、会社をたたむのではなく、引き継いでくれる会社を探しませんか? M&Aです」「M&A? うちみたいな小さな会社は無理だよ」というM社長を説得し、半年だけM&Aに取り組んでみることにしました。

それからわずか3ヶ月後、無事にM社長は近隣の同業者に会社を譲渡し、500件のお客様も、配達をしていた社員も守ることができました。精算していたら手元にお金は残らなかったはずのM社長の手元にも、数百万のお金が残ったのでした。