地域を支えてきた基幹産業や、老舗と呼ばれる名店が後継者不在を要因として廃業するという記事がマスコミに取り上げられることで、後継者未定問題が社会に及ぼす弊害が広く認識されるようになってきました。一方で、その対策の鍵を握る「第三者承継支援」に対する社会の注目も集まっています。

財団を設立した10年間は、まだ多くの経営者がM&Aに対して抵抗感を持っていましたが、今では、その有効性も注目され始め、未来を支える手法として受け入れられているように感じます。

　一方で、これまで水面下に押さえつけられてきたと思われるようなM&Aをめぐるトラブルも浮き彫りになってきております。その大きな要因には、第三者承継支援を行う仕組みがいまだに明確になっていないことにあります。

　今年で８回目となる、一般財団法人日本的M&A推進財団の全国実務特化会議では、「日本的M&A支援モデルの確立」をテーマとして、ビジネスモデルを金銭的価値に置き換えて売買するM&Aではなく、日本の歴史の中で実践されてきた事業を次世代へと継承する手段としてのM&A（日本的M&A）を実践するための課題と問題を浮き彫りにし、その対策としてどのような取り組みに挑戦すべきかを明らかにいたします。