会社を愛してくれた社員に承継

産業廃棄物の保管・運搬事業を創業したK社長にはご子息がいましたが、後継者にはなりませんでした。ご自身も70歳を超え、健康にも不安が出てきたので、精算を考えていました。
そんなある日、K社長と20年以上職場を共にしてきたベテラン社員のS氏が「もし、会社をたたむなら私に継がせて下さい。社長の大切にしてきた事業を引継ぎたいです」という申し出がありました。心から喜んだK社長は事業を譲渡することを決断します。

詳細は割愛しますが、許認可事業ですから通常株式譲渡による方法が一般的です。しかし、今回は事業譲渡という方法を取りました。その場合、S氏は法人を新設する必要があるのですが、なんと新設した法人名にはK社長の名前の一字をとっていました。
K社長は立派な事業も育てましたが、立派な社員も育てていたのです。今日も新社長となったS氏の制服の胸には先代の名前をもらった社名が誇らしげに光っています。